ローリングコート2:毛が伸びる前に抜くのが“ワイアフリーク”

毛を抜くってどういうこと?

わたしは、自分を“ワイアフリーク”だと思っています。
ワイアファンシャーとよぶには、あまりにもこだわりがありすぎる。(爆)
だから“フリーク”(キチ○イ)です。

自分が一緒に暮らすなら、ベストなのはスタンダードですが
愛犬のスタイルは飼い主が決める事ですから
抜かないお手入れを否定するものでは決してありません。
(現に我が家も一頭はシザーカットでカラーリングもしてましたし、
アレルギーのひどい子は抜いていませんから)

普通のヒトは、オフ会やイベントの前に「ワンコをキレイにしなきゃ!」と
グルーミングをしますが、ワイアフリーク的にはそれじゃダメです。
(きっぱり!)

有名なワイアのブリーダーさんもおっしゃっています。
「手を抜かず毛を抜くんだ!」

至言です。

継続は力なり。
手をかければかけただけ、確実にコート(被毛)はキレイになりますから。

白く輝くバリバリコート。
黒檀のようなややマットなブラック。
ウォルナットの様なコクのあるタン(茶色)。

ヒトに見せるときだけ手を入れたのではぜ~~~~ったいに手に入らないのだ!
はい。
これはもう、ぜ~~~~~~ったいに!です。

まめにグルーミングして、せっかくコートの状態が良くなっても、2ヶ月3ヶ月
間を空けてしまったら、コートは死んでしまいますから、とにかく続けなきゃダメなんです。
(コートが死ぬ=成長しきって、あとは抜けるのをまつだけの毛になること)

何ヶ月もかけて一所懸命育てたお客様のコートが、ちょっと経って
ズタボロになってるのを見るとがっかりします。

イヌも毛も生きてますから、これはもう、ハムスターが車輪をまわすように
ずっと続けなきゃいつもキレイな状態ではいられないんです。

1回でそれっぽい「形」をつくることは出来るかもしれないけれど、コートの状態は???
まとめて抜けば、ワイアーコート(=オーバーコート=固い毛)はたくさん取らなきゃいけないし、少し色の薄いアンダーコートばっかりになっちゃうか、
ハサミを入れるかしないと形を作るのが難しい。
みっちりと密度のあるコートは地道な努力でしか作れません。

気まぐれに、がっつり抜いたり、次の時は全身にバリカンを入れたり。
気紛れなお手入れは、私は反対します。

気にするのは人目ではなく、イヌの毛の状態です。
跳ねて来たら抜く。
良い毛が生えるように、出来る事をする。

「伸びたなぁって思う前に抜くのがテリア飼い」とおっしゃる方もいますから。

こうして手をかけたコートは本当にキレイで、プロのショードッグさんには
及ばないとしても、眺めているとにんまりとなってしまいます。

それから、過ぎたるは及ばざるがごとし。
ちょっと毛をめくって地肌が見えてしまうまで抜くのは抜き過ぎです。
(計画的に、必要があってやるなら話は別ですけども)
ドッグショーではジャッジ(審査員)が背中の毛をつまんで毛の密度を確認します。

いばらの薮を駆け抜けても肌が傷つかない程度に、毛に密度が無くては。

それにしても、なんでこうまでワイアが好きなんだろうか。自分。

画像は2008年にプロのグルーマーさんを講師に迎えて講習会をしたときのテキストに使ったもの。ちょっと加筆してアップします。

マメに抜いていれば、いつでもいろいろな成長段階の毛があって
いい感じに毛をローテーションさせる事が出来ますよ、って話です。

抜いた事の無い子は、柔らかいアンダーコートばかりで
わかりにくいと思いますが、ダブルコート(ワイアーコートとアンダーコート)の場合は
黒いワイアーコートをよくみると、ある程度伸びた毛の根元は色があせているんです。
(まれに根元まで真っ黒の子もいますけど)
だから、ハサミを入れると、濃く色のついた毛先を切り落としてしまう事になって
ブラックやタンがキレイに出ないんです。
抜いてるつもりで切れちゃってもいっしょ。

ま、そんな事考えてワイアと暮らしてるヒトはきっと少数派でしょうね。

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