【道具】トリミングナイフと指

トリミングのツール

ワイアのお手入れは毛を抜くのがスタンダード(犬種標準)にそったやり方です。

使うのはトリミング“ナイフ”!毛を切ってはいけない“ナイフ”です。

 

毛を抜く道具にも種類がありますが、
一番安上がりで確実に毛を切らずに根元から抜けるのは「自分の指」です。

以前、抜くお手入れをする事は知っているという方が
憤慨されて話をしてきました。

「テリアを飼っている人から聞いたんですけど、その人は指で抜くっていうんです!
指で抜くなんて野蛮ですよね!」

答えに窮しました。
トリミングナイフは指より効率よく毛を抜くための、指の代用品です…

 

指で毛を抜く事を「フィンガー アンド サムワーク」といいます。

人差し指と親指で、少量の毛をつまみ、毛の生えている方向へ向かって一気に引き抜きます。
(その時反対の手で皮膚を引っ張って緊張させる事を忘れずに)
ナイフを多用する人でも、飾り毛は指での作業をする事が多いのでは?

時間はかかるし、指が痛くなりますが、指は確実に根元から抜けますので
初心者にはお勧めの方法です。全身指で抜いてもオッケーです。
(ただし短い毛はつかめないので抜きにくいのと、すご~~~く時間がかかります。)

指サックを使う場合もあります。

指で毛をつまんで抜くわけですがその際に、毛が滑ってしまい抜きにくい事があります。
そんな時は、ゴム製の指サックを使う人もいます。
シリコン製より、黄色っぽい色のゴム製の方が、使い勝手が良いように感じました。
ケアーンテリアやノーリッチテリアをやられてる方でよく見かけます。

滑り止めにチョークパウダーを使う事もあります。

フラットワーク(一番短く抜く)をするばあいには、滑り止めの粉(チョーク)を使うとかなり抜きやすいです。
ショーで使うお化粧用のチョークやイヤーパウダーを使います。
チョークってどんなの?という方はページ下をみてくださいね。

肝心のトリミングナイフ(グルーミングナイフ)について説明します。


写真は左利き用、左から右へ目が粗くなっています。
使い込んでいるのでばっちくてすみません!
※たいていの人が、たくさん持っていてもよく使うのは2~3本でっす。
毛質によって持ち替えたりします。

ここに載せた物はどれも、毛を抜く能力はばっちりですが、ずっと握っていると
手の皮がむけてしまう事があるので、カバーをつけて使ってます。

ナイフという名前ですが、基本は毛を切らないように使います。

左きき用、右きき用がありますので、購入時は注意してくださいね。

 

荒目ナイフ=コースナイフ 写真右

コートがボーボーモコモコの状態のときはこのナイフが抜きやすいです。
歯が大きいので、コートの奥まで歯が届きます。

 

中目ナイフ=ミディアムナイフ 写真真ん中

次に説明する細目との中間です。

 

細目ナイフ=ファインナイフ 写真左

目が細かく、少量ずつ毛を扱うのに適したナイフです。
お顔や耳、フラットワークに使います。
ある程度、お手入れが行き届いてくる(毛の量が減ってくると)と、
ファインやミデイアムの方が使いやすくなります。

 

ディテイラー/耳用ナイフ というナイフもあります。

刃が短く、目も細かいナイフ。目がないものもあります。
ナイフ部分自体も小さいので、耳やお顔の細かい部分に使用するのにとても便利です。

レイキングナイフ(レーキングナイフ)

レイキング(伸びきった毛やアンダーコートを梳かしながらスキ取る作業)用のナイフです。
私はトリミングナイフを寝かせて使い共用しています。
セミナーなどで、レイキングナイフを別に買うよう勧められる場合もあると思います。

 

トリミングナイフは会社によって、使い心地がまったく違います。
ワイア用、スコッチ用など、犬種によって別れているみたいですけれど
私は抜きやすさで選んでいます。

はじめは荒目~中目と細目の2本を買い、抜く事に慣れて来たら、
情報を仕入れ、必要に応じて買い足してみるとよいですよ。

有名どころのトリミングナイフ(=ストリッピングナイフstripping knife)
ピアソン(Pearson)http://www.strippingknives.com/  ※2013年10月で閉業!残念。
ポプトナー(Houptner)
マース(Mars)
McClellan
Classic などなど。
最近は日本人のテリアマンの方もオリジナルナイフを作ったりしてます。

ピアソンは本当に良いナイフでしたが、閉業ですごく残念。
ピアソン亡き後、どこが良いのか聞きまわったところ、
グレイハウンドというメーカーの商品が良いようです。
回し者じゃないですが、いちおうリンク貼っておきます!
目の細かさ、利き手の確認も忘れずに、あなたの1本をゲットしてください。
ご紹介したもの以外にも比較検討してみてくださいね。

検索エンジンで調べるときは、グルーミング ナイフ トリミング テリア などで調べると出てきます。

 

新品のナイフはやはり毛が切れやすいようです。
おろしてしばらくは注意しながら抜いてくださいね。

通販では不安な方、大きいドッグショーの会場にお手入れ用品のお店が出ていますから
お店の方にアドバイスもらって買うのも良いですよ!
ショー会場ではお手入れ用品がお得プライスでゲット出来ます。

JKC(ジャパンケネルクラブ)のドッグショースケジュールはこちら

飛んだ先のページで、名前の頭にFCIと付いた「インターナショナルドッグショー」や
「連合会展」を選んでみてください。


また、毛が上手く挟めて切れずに抜ければ良いわけですからいろいろ試してみました。

意外と使えるこんなもの!

毛抜き
耳のフチは毛抜きがおすすめです!
人間用のトゲなんかを抜く時に使うアレです。

テレビドラマなんぞを見つつ、犬を膝に乗せて耳の毛を抜いていくと
ドラマが終わる頃にはイヌは爆睡。耳はつるつる。
(テレビに夢中になって耳のフチを挟んでしまって流血!にはご注意!)

そのほか、スプーンや、踵けずり肉用ナイフ(包丁じゃなくてフォーク、ナイフのフォークですよ!)を使うという話も聞いたことがあります。肉用ナイフの話を聞いたときは、なんかかっこいいって思っちゃいました!
要は毛が切れずに抜けて、自分が使いやすければなんでもいいんです!

自分的にヒットだと思ったのはコレ!

犬用の爪切りのおまけでついている、ヤスリです!

小さくて、女性には扱いやすく、ざらざらの目が滑り止めになりますし
耳なんかも抜きやすいです。

毛をつまんで、その方向に向かって一気にひきぬく!
これが一番重要!

「え~?いたいのかな?大丈夫かな?」なんて躊躇してるのが一番痛いですよ!

注射をする時に腕の注射する部分をつまんで、肌をパンパンに張って一気にぷすっと針を刺すように抜く部分の肌が張る状態にして、毛をつかんだら一気に抜く!!!を心がけてください。

毛を抜く感じを試したい方は、指で、もしくは上記のような物でまずは試してみてくださいね。

滑り止め用チョーク

黒板に字を描くあのチョークと同じようなものです。
(でも、市販されている黒板用のチョークでは指が滑ってしまってうまくいきませんでした)

検索エンジンで調べるときは、グルーミング チョーク などで調べると出てきます。

ドッグショーのときに、お化粧にも使うので、白、茶、黒がありますが
抜くお手入れ用は白が良いと思います。

滑り止め様に開発された物ではありませんが、粉のイヤークリーナーは
すごく良いです!
いくつか試しましたが、黄色に赤でR-7と書かれたパッケージのパウダーが私の中ではナンバーワンでした。
本来は耳を清潔に保つものなんですが、指の滑り止めにバッチリ!

自作出来ないかと、試してみたのですが、それはまたの機会に!

最近ファーミネーターやシェッドバスター、ディシェダーといった
アンダーコート除去用の道具もあります。
ショーチャレンジを視野に入れている子でしたら、使用は要注意です。
毛が切れたり、傷ついたりするようです。
ショードッグさんにも使うものもあるんですが、使いすぎると
次に生えてきた毛がピンピンはねて????な状態になります。
なぜだか、元気に跳ねまくる毛が生えてくるんです。
ボディは「身体に張り付くような毛」を求めるので、泣きたくなります。

ペットで、あまり頻繁に抜く習慣がなく、アンダーコートが多い子でしたら、
毛が切れていないか確認しながら使ってみると良いかも。
レイキングするだけでも、毛質や毛色は変わってくるんじゃないでしょうか。

(ピカピカにしたい!のであれば、やはりちゃんと抜いた方が良いデスヨ)

(初出:2011年10月1日 2019年2月修正)

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